会陰がうまく伸びあかちゃんが通れるだけ広がってくれる場合は切開を行なう必要はなく、
助産師は会陰保護を行ないます。
しかし、赤ちゃんが通り抜けるだけ十分に柔らかく伸びないこと切れてしまい、
会陰裂傷や膣壁裂傷、頚管裂傷などを起こすこととなります。
さらに、この時期になると赤ちゃんに酸素供給が十分におこなえず苦しくなっていますので
できるだけ早くあかちゃんを出してあげる必要があります。
裂傷予防と赤ちゃんのすみやかな娩出のために初産婦さんのほとんどに会陰切開が行われています。
会陰切開をおこなう時期は会陰が薄く膜のように伸びた時期で産婦さんが
いきみ最大限に引き伸ばされた瞬間が切開を入れるタイミングです。
麻酔の有無に関しては状況や病院によっても違いますが、陣痛がピークに達していますから
麻酔を使わなくてもそれほど痛みを感じることはありません。
切開はあかちゃんを傷つけないために先が丸くなった医療用はさみで行われます。
会陰切開の方法は、
◆膣口から肛門に向って真っ直ぐ切開をおこなう正中切開
◆膣口の真下から斜めに切開を入れる正中側切開
◆膣口の真下からやや恥骨部よりに切開をいれる側切開
の三つがあります。
切開を入れる長さは伸びきった会陰を2〜3p程度切開します。
胎盤が出てしまい、分娩による異常がないか診察がおこなわれたあと、縫合が行われます。
赤ちゃんによって引き伸ばされた会陰もお産が終わるともとの状態に近い厚さになっていますから、
切開の傷も小さくなっています。
縫合は抜糸の必要のないとける糸でおこなうところが多いようですが、なかには内側はとける糸で縫合し、
外側を抜糸の必要の糸で縫合する病院もあり、抜糸は退院の前日に行われます。