妊娠中は赤血球数の増加や鉄分などの栄養素を赤ちゃんに送るので、妊娠していない時に比べ貧血になりやすくなります。赤ちゃんの成長に必要なものは母体の健康状態にかかわらず、取り込まれるので、母体の健康に問題が出てくることがあります。
胎児は母体のヘモグロビンから酸素を得て成長します。ヘモグロビンは赤血球の中の血色素です。このヘモグロビンが少ない状態が貧血です。ヘモグロビンの濃度が11g/dl以下の場合は貧血となります。
貧血になってヘモグロビンが少なくなると、胎児に十分な酸素が送られず、胎児の成長(発育)に悪い影響が出ることになります。また、妊婦が貧血になると、出産時に微弱陣痛になりやすく、出血もしやすいため、産後の回復も遅くなります。
きちんと定期健診を受診していれば早期発見してくれるので必要以上に心配する事はありませんが、普段から鉄分を摂取できる食材を食事に取り入れたり、サプリメントなどで補給する事が大切です。
■妊娠中の貧血の改善
貧血を改善するには鉄剤を飲んだり、食事の内容を改善したりします。 良質のたんぱく質非妊娠時より多く摂り、鉄分の吸収をよくするビタミンCなどを含む野菜や果物を積極的に摂りましょう。
また、鉄分の吸収を妨げるカフェインなどの摂取を控えます。例えばコーヒー・お茶・紅茶などです。妊娠初期では貧血でなかった人も貧血になることがありますので、妊娠中は注意が必要です。妊娠中に貧血の場合は貧血が改善されるまで検査が行われます。