妊娠すると、ホルモン作用の影響で、乳腺が発達するため、 乳房全体に様々な変化が出てきて、母乳を出す準備が始まります。乳房全体としては、乳腺の肥大や脂肪組織が増加するために、硬く張ってきます。
妊娠2カ月頃からは乳房が大きくなり始めます。 乳頭や乳輪も大きくなり、黒ずんだりします。また少結節といってブツブツしたものができてきます。卵胞ホルモンの働きで、乳頭は非常に敏感になったり、張ってチクチクと痛みを感じることがあります。
これは黄体ホルモンが乳腺にも働くからです。さらに発達の速度が速いと、血液循環が追いつかずに、乳房がうっ血したり、 部分的にしこりができたりします。中には強い痛みを感じる妊婦さんもいるでしょう。ただ、これらの症状は、妊娠中の生理的なものなので、特に心配は要りません。
■女性に多い乳癌
最近は乳がんにかかる若い人が多いという報告があります。早期発見のためにも妊娠、非妊娠にかかわらず、 乳房にしこりがないかなどチェックを習慣化するといいかもしれません。
乳房の変化に合わせ、適切なサイズのブラジャーを選ぶことをお勧めします。乳輪や乳頭には、表面を保護する潤滑油が自然に分泌され、母乳を出す準備を整えています。ですのでこの分泌物を無理にはふき取らないようにしましょう。
発達と共に乳房はどんどん変化していくのですが、発熱や乳頭からの血の混じった分泌物が出た場合は、医師の治療を受ける必要があります。
■乳がんの主な症状
・ 乳房にしこりがある。
・ 乳頭からの分泌物(血が混じる・茶褐色)。
・ 手を上げると乳房にへこみ、ひきつれができる。
・ 乳頭の湿疹・ただれ・びらん。
・ わきの下にしこりがある。(リンパ節が硬く触れる)
乳房のしこりは陽性が多く、必ずしも乳房の異常が乳癌というわけではありません。
■妊娠中に乳がんが見つかったら?
最近では、妊娠で乳がんが急に進行したりすることはないと言う事が分かってきたので、出産もできるようになりました。 妊娠中に治療する事も可能です。
また乳癌治療後も妊娠をする事が可能です。 必ずしも上記に当てはまらないケースもあります。 詳しくは医師に相談下さい。